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寺尾紗穂さんのエッセイ集、『天使日記』。
私は、この本『天使日記』の中に入っているエッセイ「天使日記」(娘さんが天使を見る話)だけではなくて、この本まるごとが天使日記だと思いました。なぜなら、寺尾さんの書いて歌う営みに私は「天使」を見ているからです。
これは寺尾さんを神聖視しているというよりは、寺尾さんがまさに「橋渡し」をしている人だと感じたのだと思います。私たちは、「すぐ隣にいる」「見つけてくれるのを待っていて、自分のことを信じてくれる人に会いた」がっている人をいつも見過ごしているのだと思います。それは「もうひとりの自分」かもしれないのに、気づいてあげないなんてかわいそうです。
「天使日記」を読んだあとに、全国のいろいろな土地に赴いてその土地の「目に見えぬもの
たち」と交歓する寺尾さんの姿を読んでいくと、まさにその土地に脈々と続いてきた人間と
生き物の橋渡しをする天使のようなはたらきをしていると感じます。(鳥羽)
各地に赴き「目に見えぬものたち」と交歓する寺尾さんは、
時間を超越して土地と人間の橋渡しをする「天使」。
だから、この一冊まるごと「天使日記」だ。
帯文 〇 鳥羽和久
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『天使日記』寺尾紗穂 スタンド・ブックス
三大特典
※サイン入り(完売)
※『全部、寺尾紗穂』鳥羽和久著ZINE(とらきつねオリジナル特典)
四六判 縦194mm × 横138mm
320ページ
自分の中の子供。目に見えぬもの。聞こえない声。長女が天使に出会った日から始まった、まぼろしのようでいて、確かな日々の記録。
唯一無二の音楽家・文筆家による言葉の到達点。エッセイ49編。
「目に見えるもの以外あるわけない、という断定は、シュタイナーが説いたように理想主義の否定でもある。人が今あるもの、手でつかめるものしか信じられなければ、愛がいったい何であるかも捉えることはできないし、世界をより良く変えていくこともできない。自分には聞こえていない声があり、見えていない世界があるかもしれないと振り返ること、まっさらな心で自然に向き合い、人に向きあうこと。現代を生きる私たちがそれを忘れ、何かに流されるように生きているのだとしたら、立ち止まりたいと思う。そのことにすでに気づいた人々にならって、私は人と一緒に生きたい、と思う」(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
子供でいること
北へ向かう
スーさんのこと
目に見えぬものたち
歌とジェンダー
遠くまで愛す
霧をぬけて
闇と引力
天使日記
Ⅱ
あくたれラルフ
馬ありて
タレンタイム
モンゴル民謡
それでも言葉は優しくひびいて
聞こえざる声に耳を澄まして
市子さんとモランのこと
おあずけの抒情 矢野顕子の童謡
異端者の言葉
ブラジル移民をめぐって――水野龍からブラジル版五木の子守唄まで
パラオ再訪
Ⅲ
山形 カブのわらべうた/吉野 大蔵神社/飯塚 炭鉱の光/足柄 金太郎の周辺/赤穂 海を眺めて/札幌 父の残像/福岡 降り止まぬ雨/今村 キリシタンの教会にて/本郷 アイヌと大神/滋賀 「売国」という言葉/会津 たよりないピアノを前に/名古屋 再会/私への旅/周防大島 尊厳と能動性/東京 ここには居ない誰かについて/ソウル こんなところで子供を産めない/大阪 「あかるさ」へ向かう/阿賀 新潟水俣病/鎌倉 墓参り前後のこと/金沢 ローレンス/阿賀 富と貧しさ/パラオ ひとまずおく/札幌 奥井理ギャラリー/モンゴル シベリアマーモット/玉川上水 あるダンサーの話/長島 愛生園/東京 山谷ブルース/大阪 そのままを認める/東京 コロナ
あとがき
寺尾紗穂(テラオ サホ)
音楽家。文筆家。1981年11月7日東京生まれ。大学時代に結成したバンドThousands Birdies' Legs でボーカル、作詞作曲を務める傍ら、弾き語りの活動を始める。2007年4月、ピアノ弾き語りによるメジャーデビューアルバム『御身』(ミディ)が各方面で話題になり、坂本龍一や大貫妙子らから賛辞が寄せられる。林宣彦監督作品『転校生 さよならあなた』(2007年)、安藤桃子監督作品『0.5ミリ』(2014年/安藤サクラ主演)の主題歌を担当した他、CM、エッセイの分野でもなど活躍中。新聞、ウェブ、雑誌などで連載を多数持つ。2009 年よりビッグイシューサポートライブ「りんりんふぇす」を主催。坂口恭平バンドや、あだち麗三郎、伊賀航と組んだ3ピースバンド「冬にわかれて」でも活動中。2021年、「冬にわかれて」および自身の音楽レーベルとして「こほろぎ舎」を立ち上げる。
著書に『評伝 川島芳子』(2008年3月/文春新書)、『愛し、日々』(2014年2月/天然文庫)、『原発労働者』(2015年6月/講談社現代文庫)、『南洋と私』(2015年7月/リトルモア)、『あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々』(2017年8月/集英社)、『彗星の孤独』(2018年10月/スタンド・ブックス)、編著に『音楽のまわり』(2018年7月/音楽のまわり編集部)がある。
2006年3月 1st ミニアルバム『愛し、日々』(MS Entertainment)発表
2007年4月 2nd アルバム『御身onmi』(ミディ)発表
2007年6月 1st シングル『さよならの歌』(ミディ)発表
2008年5月 3rd アルバム『風はびゅうびゅう』(ミディ)発表
2009年4月 4th アルバム『愛の秘密』(ミディ)発表
2010年6月 5th アルバム『残照』、2nd シングル『「放送禁止歌」』(ミディ)発表
2012年6月 6th アルバム『青い夜のさよなら』(ミディ)発表
2015年3月 7th アルバム『楕円の夢』(P ヴァイン・レコード)発表
2016年8月 アルバム『私の好きなわらべうた』(P ヴァイン・レコード)発表
2017年6月 8th アルバム『たよりないもののために』(P ヴァイン・レコード)発表
2020年3月 9th アルバム『北へ向かう』(P ヴァイン・レコード)発表
2020年11月 アルバム『わたしの好きなわらべうた2』(P ヴァイン・レコード)発表
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